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女性の腸活に不可欠な視点—ホルモンバランスを整えるという賢い選択肢

  • 執筆者の写真: Yoshiko Omura
    Yoshiko Omura
  • 10月20日
  • 読了時間: 5分

更新日:5 日前

女性の腸活に不可欠な視点
女性の腸活に不可欠な視点

興味深い傾向


腸内細菌の検査データを長年分析する中で、興味深い傾向に気づきました。食事改善や生活習慣の見直しに熱心に取り組んでいるにもかかわらず、腸内環境の改善が進まないケースが一定数存在するのです。


詳しく調べていくと、そこには「ホルモンバランスの乱れ」という共通項がありました。



こんな症状、ありませんか?


以下のような症状に心当たりはないでしょうか。


月経周期に関連する症状

  • 生理前になると、イライラや気分の落ち込みが激しい

  • 生理前に食欲が止まらない、甘いものが無性に欲しくなる

  • 生理痛がひどく、鎮痛剤が手放せない

  • 排卵期や生理前後に、お腹の調子が悪くなる(下痢や便秘)

  • 生理前に肌荒れやニキビが必ず出る


 日常的な不調

  • 寝つきが悪い、夜中に目が覚める

  • 疲れやすく、午後になるとぐったりする

  • 些細なことでイライラしてしまう

  • 集中力が続かない、頭がぼんやりする

  • 体重が増えやすく、減りにくくなった


腸に関連する症状

  • 便秘と下痢を繰り返す

  • お腹が張りやすい

  • 発酵食品やサプリを摂っているのに、腸の調子が安定しない


これらの症状、実は「食事だけの問題」ではなく、ホルモンバランスの乱れが関わっている可能性があります。



現代女性が直面している、歴史的な変化


まず、知っておいていただきたいデータがあります。


生涯月経回数の変化

  • 1900年頃の女性:約50回

  • 現代女性:約450回


この約9倍という差は、以下の社会変化によるものです:

  • 初潮年齢の低下(約14歳→約12歳)

  • 出産回数の減少(平均4〜5人→1〜2人)

  • 授乳期間の短縮

  • 閉経年齢の変化


つまり、現代女性の体は、人類史上経験したことのない頻度でホルモン変動を繰り返しているのです。


「昔の人はこんな不調はなかった」

「自然な食事をしていれば大丈夫だった」


そう思われるかもしれませんが、私たちの体が置かれている状況は、祖母世代とは根本的に異なっているのです。



よくあるパターン:「頑張っているのに改善しない」


腸内細菌データを分析していると、こんなケースによく出会います。


Aさん(30代)のケース

症状:生理前のPMS、便秘と下痢の繰り返し、疲労感

取り組んでいたこと

  • 発酵食品を毎日摂取

  • 食物繊維を意識した食事

  • プロバイオティクスやサプリメント

  • 規則正しい生活

結果:半年経っても腸内環境の数値が改善せず、PMS症状も変わらない



Bさん(40代)のケース

症状:更年期の初期症状、不眠、お腹の張り、肌荒れ

取り組んでいたこと

  • オーガニック食材中心の食事

  • ヨガや軽い運動

  • ストレス管理

結果:睡眠の質が改善せず、それに伴い腸の調子も不安定なまま


お二人とも、食事や生活習慣には十分気を配っていました。

では、なぜ改善しなかったのでしょうか?



ホルモンと腸内細菌:見落とされがちな関係


近年の研究で、女性ホルモンと腸内細菌の間に密接な関係があることが明らかになっています。


腸内には「エストロボローム」と呼ばれる、エストロゲン代謝に関わる腸内細菌群が存在します。


  • ホルモンバランスが腸内環境に影響を与える

  • 逆に、腸内環境がホルモンバランスに影響を与える


この双方向の関係があるため、どちらか一方だけを整えようとしても、うまくいかないケースがあるのです。


実際のデータを見ると:

  • 月経周期に合わせて腸内フローラの構成が変化している

  • PMS症状が強い方は、特定の菌種に特徴的な傾向がある

  • ホルモン変動が大きい時期は、腸内細菌の多様性が低下する

これらは、食事内容だけでは説明できない変化です。



「食事だけでは届かない」領域がある


もちろん、食事は腸内環境の基盤です。

それは変わりません。


しかし、私たちは:

  • 夜遅くまで照明の下で過ごし

  • 慢性的なストレスにさらされ

  • 睡眠時間が不足し

  • そして、生涯450回もの月経を経験する

という、極めて特殊な環境で生きています。


この「不自然な現代環境」の中で、「自然な方法だけ」で体を整えようとすることに、矛盾はないでしょうか?



見逃されている選択肢


多くの方が、ホルモンケアや医療的なアプローチに対して、不安や抵抗感を持っています。


「できるだけ自然な方法で」

「薬には頼りたくない」


その気持ちは、よく理解できます。


しかし、実際には:

  • 現代の医療は、かつてとは大きく異なる

  • 個々の状態に合わせた、きめ細かい調整が可能

  • QOL(生活の質)の向上を目的としたアプローチがある


そして何より、データから見えてきたのは、適切なホルモンケアが、結果的に腸内環境の改善につながるケースがあるという事実です。



 

10/24 講座のご案内


今回、長年婦人科の現場で多くの女性を診てきた 松岡和子先生 をゲストに迎え、 オンライン講座 「ホルモン治療と腸内細菌」 を開催します。


こんな方におすすめです:

  • 生理前の不調(PMS)に悩んでいる

  • 腸活を頑張っているのに改善しない

  • 更年期の症状が気になり始めた

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科学的なエビデンスをベースに、客観的な情報をお届けします。

今回の講座では、婦人科医の松岡和子先生と、腸内細菌の専門家大村佳子が、

女性の体の仕組みにフォーカスしてを、わかりやすく・楽しく解説します。


  1. 女性の不調とホルモンの関係

  2. ホルモン治療とは何か

  3. 腸内環境がホルモンに与える影響

  4. ホルモン治療が腸内環境に与える影響

  5. 婦人科医の本音トーク


女性の腸活には欠かせない、自分の体を理解して選択できる力を身につけるための1時間です。松岡先生と大村のトークは軽快なトークで、「知らなかった!」がきっと何度も訪れる内容です。


10月24日(金)20:30〜21:30(Zoom/アーカイブ視聴あり)

🎁 23ページの特別テキスト付き🎁 

ゲスト:松岡和子(婦人科医)

講師:大村佳子(マイクロバイオーム解析士®)

参加費:3,300円(税込)

(こちらは終了しました)




「食事だけ」「腸活だけ」では届かなかった方に、ご自身の健康について、より広い視点から考えるきっかけになれば幸いです。​​​​​​​​​​​​​​​​


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